■2016年3月 社民・市政クラブ福岡市議団 代表質疑 (3月4日)
私は、社民・市政クラブ福岡市議団を代表し、「2016年度当初予算案」並びに、諸議案について質問してまいります。
戦後70年の節目の年2015年9月19日、安倍政権は参議院本会議において、安全保障関連法案いわゆる「戦争法案」を強行採決しました。国会の数の力で憲法は形骸化され、多くの国民の反対の声は無視されました。まさに、立憲主義と民主主義の破壊と言えます。
そしてさらに、原発の再稼働、沖縄辺野古新基地建設の強行、TPPへの参加、社会保障の切り捨て、労働法の改悪、マイナンバー制度の開始など、平和や人権、暮らしを脅かす暴走政治を繰り広げています。
また、政府は3月1日、一般会計総額が過去最大の96.7兆円となる2016年度予算案を衆議院本会議で可決しました。アベノミクスの失敗を隠す「一億総活躍社会」づくりやTPP対策を名目にした参議院選挙向けの「バラマキ」とともに、「積極的平和主義」を掲げ、当初予算で初めて5兆円台に乗せた防衛費増額など、選挙対策と「軍拡」を進める予算となっています。
さて、私ども社民・市政クラブ福岡市議団は、これまでも憲法を暮らしに生かし、平和・人権・教育・福祉・環境を重視した、市民生活優先の「住みよいまちづくり」の実現に努めてまいりました。
以下、それらの視点を念頭に、本市の重点課題に即して質問してまいります。
1. 初めに、財政運営の基本姿勢について、お尋ねします。
新年度は、第9次福岡市基本計画の目標を実現するための政策推進プランと行財政改革プラン実行の最終年度です。この間、市立幼稚園の廃園や図書館の指定管理者制度の導入をはじめ、公共サービス部門の民間委託化など、市民の暮らしに直結する市民サービス削減を着々と進めてきました。
財政健全化を理由に、公共施設の管理運営等の事業を採算性という尺度で測り、民間へ委託、あるいは廃止することは、教育や福祉等、公共サービスの低下を招きます。持続可能な社会を目指すためにも、行政運営については、将来を見据えた政策を展開すべきです。そこで、改革実行計画については、これ以上の市民サービス削減にならないよう、見直しを含め、慎重に論議し進めるべきだと考えますが、ご所見を伺います。
次に、税財源の確保についてです。
福岡市の2016年度一般会計予算における市税については、個人市民税や企業収益の改善、住宅建設の増加などで52億円の増加を見込み、過去最大の予算規模となっています。しかし、内実は、低所得高齢者への国の給付制度42億円を含む社会保障関係費の増大など義務的経費が大きく膨らみ、未来を担う子どもたちの教育費は36億円の減となるなど、財源は依然として厳しい状況にあります。市として主体的かつ自律的な行財政運営を図っていくためには、市税の確保や新たな財源確保が急務です。今後、これらの課題に対し、どのような対応を取られるのか、ご所見を伺います。
次に、市債残高の削減と財政の健全化についてです。
2016年度一般会計予算の公債費は、前年度より4億円減少したものの951億円と歳出の12.1%を占めており、市債発行額も706億円、前年度当初と比べて43億円の減となったものの、全会計含めた市債残高は1兆8,726億円と依然として高い水準となっています。公債費の割合が高いと財政硬直化を招き他の行政サービスへ振り向ける財源が乏しくなることから、真に市民生活の向上につながる事業を厳選し、市債の発行を行う必要があると考えます。そこで、市債残高の削減と財政の健全化をどのように進めていかれるのか、ご所見を伺います。
2. 次に、平和行政の推進について、お尋ねします。
はじめに、平和憲法についてです。
昨年9月、国民の8割が説明不足であるとし、6割が成立に反対している中、安保法制関連法案が強行採決されました。「憲法の番人」とされる内閣法制局長官経験者に加え、最高裁判所の元長官や判事経験者からも違憲であるとの指摘がなされ、今でも大多数の国民の反対の声は衰えていません。今年は、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を基調とする日本国憲法公布70年の記念の年です。
憲法前文に、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、主権が国民に存する」と宣言している点は極めて重要です。
「平和首長会議」に加盟している福岡市長として、平和憲法改悪の動きに反対すべきと考えますが、ご所見を伺います。
また、次代を担う子どもたちに平和憲法の大切さをどう教え、平和主義の理念を福岡市政にどう生かすのか、ご所見を伺います。
次に、非核平和都市宣言についてです。
福岡県には広島県、長崎県に次ぎ、多くの被爆者・被爆ニ世・三世が住んでおられます。
アジアの交流拠点都市として世界の各都市から真に信頼を得、次世代に平和の尊さを伝えるためにも、1989年(平成元年)の「平和都市宣言に関する決議」を具現化する「非核・平和都市宣言」を行い、核廃絶・平和問題について市民への啓発活動をおこなうべきと考えますが、ご所見を伺います。
次に、戦争の記憶を後世に引き継ぐ施策についてです。
戦争体験者や遺族が高齢化する中、戦争の惨禍を二度と繰り返さないために、戦争の記憶を後世にいかに伝えていくかが重要です。
本市には、市民福祉プラザに「引揚港・博多」が常設展示され、市博物館の常設展示室に福岡大空襲を含めた戦中・戦後の暮らしの資料が展示されているものの、「戦争と平和」を学ぶ場は限られています。市内に残る戦災跡を「戦争遺産」として表示するとともに、戦争体験者による語り部活動を継承し「戦争と平和」を学ぶ機能を持った恒久的・総合的な平和祈念資料室を早急に設置すべきと考えますが、ご所見を伺います。
本市では、市民運動組織である板付基地返還促進協議会が、長年、市内の米軍基地の早期全面返還と軍事利用反対運動を積み重ねてきています。3月31日に背振山頂は返還されることが明らかになりましたが、まだ福岡空港には米軍基地が残されています。また、危険なオスプレイの佐賀空港配備や低空飛行訓練の実施も憂慮されています。滑走路増設事業を契機に米軍基地の完全返還を国に強く要望すべきと考えますが、ご所見をお伺いします。
さらに、博多港への軍艦船の入港に関しても、市民の安全を守るという観点から、「非核神戸方式」にならい事前協議を制度化すべきと考えますが、ご所見を伺います。
3. 次に、原発の再稼働問題と再生可能エネルギーのとりくみについて、お尋ねします。
まず、玄海原発の再稼働問題と原子力安全協定の実効性についてです。
東日本大震災東京電力福島第一原発事故から、5年が経とうとしていますが、未だ事故原因の解明はされず、収束のめども立っていません。
にもかかわらず、九州電力は避難計画の実効性や要援護者避難の対応等の問題点が払拭されないまま2015年8月に川内原発1号機を10月には2号機を再稼働させました。原子力規制委員会は川内原発を新規制基準に適合するとしましたが、事故の可能性は否定していません。玄海原発3、4号機は現在、新規制基準による適合審査中ですが、避難計画の実効性すら保障されていません。川内原発再稼働の前提条件であった免震重要棟新設の撤回は、九州電力の安全確保の姿勢に対して多くの市民が不信を抱いています。市民の命と暮らしを守るため、九州電力との「原子力安全協定」を「立地県並み」とするように働きかけるとともに、玄海原発の再稼働に反対すべきと考えますが、ご所見を伺います。
次に、再生可能エネルギーの取り組みについてです。
本市では2014年に「福岡市環境・エネルギー戦略」を策定し、多様なエネルギー資源を最大限活用した分散型エネルギーを導入し、効果的に利用するとしています。本年4月から電力小売りが全面自由化され、市民の電気を賢く使う意識とともに再生可能エネルギーへの期待がさらに高まると思われます。環境・エネルギー戦略では、2030年度までに再生可能エネルギーの数値目標を2012年度の約4倍にあたる40万kW以上としています。今後、住宅用エネルギーシステムの導入支援や市有施設へのさらなる導入推進が必要と考えますが、ご所見を伺います。
4. 次に、子ども施策について、お尋ねします。
はじめに、子どもの貧困対策について、です。
2012年の「子どもの貧困率」は16.3%という過去最悪の状況です。また、2014年福岡市の「就学援助等の受給者等の割合」は23.6%と本市はさらに深刻な状況にあります。わが会派は、常々全庁的な推進体制を構築して子どもの貧困対策を進める必要があることを主張してまいりました。子どもの貧困対策をどのように取り組んでいかれるのかご所見を伺います。また、貧困問題は経済的な貧困だけではなく、関係性の貧困と言われる地域からの孤立など様々な課題があります。対策を講じるためには、公的支援につながっていない家庭の把握や必要な支援策など実態調査をすべきと考えますが、ご所見を伺います。
本年1月より入院医療費は中学3年生まで全額助成となりました。新年度予算案には、通院医療費を10月より6年生まで対象を広げたものの、上限を設定して一部自己負担を求めるとしています。3歳以上の就学前の子どもの窓口負担を無料から有料化することは、貧困対策に逆行していると言わざるを得ません。通院医療費を中学3年生まで全額補助すべきと考えますが、ご所見を伺います。併せて、教育予算の増額を図り、学校徴収金の保護者負担軽減を図るとともに、就学援助の認定基準を生活保護基準に準じて引き下げるべきではないと考えますが、ご所見を伺います。
次に、児童虐待防止と子どもの権利擁護について、です。
「福岡市子ども家庭支援センター」が2か所設置され、休日や夜間における相談体制が強化されましたが、虐待問題は依然として深刻です。えがお館への専門職員の増員とともに、虐待の未然防止対策、地域における子育て支援の充実、各区への専門家の配置など、児童相談の体制強化が必要と考えます。さらに、里親たちが孤立せず、ピアサポートなど主体的に相談活動などができる支援体制も必要と考えますが、ご所見を伺います。
また、虐待を生み出さない社会とするためには、子育て支援にとどまらず、学校におけるスクールソーシャルワーカーの充実や、ひとり親家庭の就労支援など、総合的に養育状況を改善することが必要と考えますが、ご所見を伺います。
次に、保育行政について、です。
2015年度から「子ども・子育て支援新制度」が施行されましたが、依然として待機児童・未入所児童の解消は進んでいません。潜在的保育ニーズも含め、公的保育保障のためには、新設を含めより一層の整備が必要と考えますが、ご所見を伺います。なお、認可保育園の整備については、利益を得ることを前提にした企業の参入は行うべきではないと考えますが、ご所見を伺います。
また、「待機児童ゼロ」に向けて壁となっているのが保育士不足です。保育士の待遇改善を図らなければ人材の確保は難しいと考えますが、ご所見を伺います。
さらに、障がい児保育充実のために、療育を必要とする子どもの保育や、重い障がいのある子ども・医療的ケアが必要な子どもを預かる保育サービスも必要と考えますが、ご所見を伺います。
次に、子どもの権利条例の制定についてです。
虐待やいじめ、それによる自死の問題は深刻です。子どもの権利侵害に対して、社会的な認知度を深めていくことが重要です。法的根拠となり得る福岡市子どもの権利条例を制定すべきと考えますが、ご所見を伺います。
5. 次に、笑顔で暮らせる福祉都市づくりについて、お尋ねします。
初めに、高齢者保健福祉対策の充実についてです。
介護予防・日常生活支援総合事業において、介護の重度化を招かないために、今までの介護予防サービスと同様のサービスが受けられる仕組みづくり、更には、事業者にとって、事業として成り立つ単価となるよう2017年度からの導入に向けて、制度設計をすべきと考えますが、ご所見を伺います。また、老老介護や介護のための離職者の増加が懸念されます。介護を家族で抱え込まないためにも在宅の要介護者世帯の支援の充実を図るべきと考えますが、ご所見を伺います。さらに、介護職員の確保と処遇の改善を図るべきと考えますが、ご所見を伺います。
次に、障がい者福祉と障がい者差別禁止条例の制定についてです。
本年4月より障害者差別解消法が施行されます。この動きを受けて、熊本県やさいたま市など14の自治体では、より具現化した障がい者差別禁止条例が制定されています。本市においても、「福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会」が発足し、条例制定の要望が出されています。条例の制定は待ったなしです。併せて手話言語条例についても制定すべきと考えますが、ご所見を伺います。
6. 次に、子どもたちに豊かな学びを保障する取り組みについて、お尋ねします。
まず、少人数学級編成、学力保障の取り組みについてです。
財務省が昨年11月、少子化を理由に教職員定数を約3万7千人減らすとしました。学校現場の実態を全く反映していない机上の空論です。子どもたちへのきめ細かな対応や、子どもの主体的な学びのために、教職員定数の削減に反対し、加配定数を含む教職員定数の拡充を盛り込んだ教職員定数改善計画を策定・実行するよう国に求めるべきと考えますが、ご所見を伺います。
また、貧困の連鎖を断ち切るための学力保障は重要です。本市単独事業として、日常の学習支援加配、放課後学習支援等の加配教員の配置を求めるものですが、ご所見を伺います。さらに、小学校高学年の専科教員の拡充と、小・中学校の全学年での少人数学級の実現を図るべきと考えますが、ご所見を伺います。
次に、特別支援教育への取り組みについてです。
特別支援教育支援員は年々増員が図られましたが、学校には支援を要する児童・生徒が複数在籍していることから、さらなる支援員の増員を求めるものです。また、2か月交代という任用期間についても子どもとの関係づくりや学校行事等に支障をきたしていることから見直しを求めます。
さらに、障がいの重度・重複化が顕著となっている現在、特別支援学級の定数が8人のなかで、本市独自の支援体制として支援学級の複数担任制が必要と考えますが、ご所見を伺います。 また、特別支援学校高等部の学級不足や発達障がいをもつ生徒の進路保障のためにも市立高等学校での特別支援教育の充実、支援学校の分校・分教室の設置が必要と考えますが、ご所見を伺います。
次に、人権教育の推進についてです。
小中学校における差別発言は、部落差別をはじめ、障がい者、性的マイノリティと、在日の子どもたちへ向けられています。学校における人権・同和教育、性的マイノリティの子どもに対する理解と支援のための教職員研修と、児童・生徒への人権教育を充実・強化すべきと考えます。さらに、LGBTへの児童・生徒に対しては中学校の標準服の見直しなど学校での特別な対応も望まれるところです。どのように取り組まれるのか、ご所見を伺います。
次に、いじめや不登校などの問題を抱える子どもへの支援体制についてです。
いじめによる自死が後を絶ちません。こども未来局が2013年に行ったアンケート調査では、悩みや心配事があっても「誰にも相談しない」と回答した中高生が15%余りいることが明らかになりました。子どもたちが安心していじめからの救済を訴える窓口の設置は急務です。学校外に子どもが救済を求めることができる第三者相談・救済機関を設置すべきと考えますが、ご所見をお伺いします。さらに、不登校対応教員の小中学校への拡充やスクールソーシャルワーカーの増員も急務と考えますが、ご所見を伺います。
7. 次に、ジェンダー平等社会の実現について、お尋ねします。
始めに、女性の貧困対策についてです。
子どもの貧困の多くは女性の貧困に起因しています。働く女性のおよそ6割がパート、派遣などの非正規雇用であることや、男女の賃金格差が要因として考えられます。特に、就職氷河期で非正規率の高い、35歳〜44歳のシングル女性が直面している課題や生活の困難さが、社会問題となっています。安倍政権は、「女性の活躍推進」を掲げていますが、女性の半数以上を占める非正規労働者の差別撤廃やジェンダー平等の視点がありません。すべての女性が安心して働き続けることができる社会の仕組みこそが求められています。女性の就労支援に取り組むべきと考えますが、ご所見を伺います。
次に、女性への暴力の根絶についてです。
配偶者等からの暴力や性犯罪は、生命や身体の安全を脅かすものであり、重大な人権侵害です。近年は、ストーカー行為から暴力・殺人にエスカレートする事件も頻発しています。デートDV防止も含め、パートナーとの対等な関係性を学ぶなど暴力防止の啓発・研修に早期から取り組むべきと考えますが、ご所見を伺います。
また、福祉、医療機関、警察など関係団体との連携を図りながら、病院内併設のワンストップ支援センターなどの相談支援体制を整えることが喫緊の課題です。そこで、DV被害者の身体的保護や自立支援策の充実、性犯罪被害の防止及び被害者支援のための体制の充実をどのように図られるのか、ご所見を伺います。
次に、ジェンダー平等に基づいた男女共同参画推進のための諸施策についてです。
「福岡市男女共同参画基本計画(第3次)」が今年度末に策定予定です。
地域社会の活性化や民主的運営のために、地域において男女平等意識を浸透させ、地域の意思決定過程に女性が参画していくことが肝要です。地域防災計画をはじめ地域における男女共同参画の推進にどのように取り組まれるのか、ご所見を伺います。
8. 人権・同和行政の推進について、お尋ねします。
本市では大量の「差別落書き」やインターネットを利用した悪質な差別書き込み、同和地区についての問い合わせなど、いまだに同和問題に関する誤った認識が根強く残っています。また、部落差別のみならず、在日外国人に対する「ヘイト・スピーチ」など多くの差別行為や人権侵害が起きています。福岡市議会は、立法措置を含めた早急な対策を求める「ヘイトスピーチの根絶のための早急な対策を求める意見書」を国へ提出しました。ヘイト・スピーチの防止と規制策について、国に強く働きかけるべきと考えますが、ご所見を伺います。併せて「人権侵害の救済に関する制度等」の法整備についても強く求めることを要望します。
住民票の写しや戸籍謄本等を代理人や第三者に交付した場合、事前に登録された人に対して、その交付した事実を知らせる「事前登録型本人通知制度」が昨年9月より導入されました。不正請求及び不正取得による個人の権利侵害の抑止及び防止を図るものですが、制度の趣旨・目的を含め、市民に深く浸透するよう周知の徹底を図るべきと考えますが、ご所見を伺います。
2012年の「福岡市における人権に関する市民意識調査」の結果を見ると、5年前と比べ、差別意識の改善等が図られているものの、同和問題に関しては、「結婚」や「家や土地の購入」等について「差別がある」との回答が40%を超えていることが明らかになっています。
福岡市人権教育・啓発基本計画では、「すべての市民の人権が尊重される社会」を目指すために、特に、市職員、教職員、社会教育関係者など、人権の擁護に深いかかわりを持つ職業に従事する、いわゆる「特定職業従事者」は、重点的な人権教育及び人権啓発が必要とされています。
また、学校現場から聞かれる声として、特に若い世代の教職員の認識の低さが大きな課題となっています。
そこで、このような人権侵害や差別行為、さらには「市民意識調査」等に基づく人権・同和問題の課題解決に向け、今後、市職員、教職員等「特定職業従事者」の研修等の充実・強化も含めて、どのような方針で施策を推進されていかれるのか、ご所見を伺います。
9.次に、公共交通の活性化、並びに交通体系の推進について、お尋ねします。
東部地域と都心部間の交通利便性の向上として、高速鉄道2号線と西鉄貝塚線との直通運転化が期待されています。その実現のためには、西鉄貝塚線各駅にアクセスするバス路線の乗り継ぎの利便性向上やパークアンドライドの拡大等さらなる利用促進を図っていくことが重要です。今後、どのようにとりくまれるのかご所見を伺います。
また、日常生活に必要な生活交通の維持・確保の観点から、公共交通空白地、不便地域における地域コミュニティバス等の運行が望まれています。東区や西区では地域住民と交通事業者が協力して循環バスの試行運転が始まりました。しかし、現行の「生活交通確保に関する条例」では、支援要件に該当しない地域もあり、地域住民の要望をかなえるため、地域特性に応じた支援が必要と考えますが、ご所見を伺います。
また、急速に人口が増えている西区西部地区の渋滞緩和策として、西九州自動車道周船寺インターをフルインター化することが求められますが、ご所見を伺います。
10.次に、就労支援や働き方の見直しについて、お尋ねします。
安倍首相は「アベノミクスによって雇用が100万人以上増えた」と主張していますが、増えているのは賃金が低く身分も不安定なパートや派遣などの非正規社員です。2012年就業構造基本調査によれば、本市の雇用形態は正社員が約58%であり、前回調査と比べて約5.7ポイント低下しています。2014年度の労働力調査では、全国の15歳〜44歳代の非正規社員のうち、19.7%が正社員就職を希望しています。
本市では、これまで「若者の正社員就職支援」や就労相談窓口事業等がおこなわれてきました。今後、正社員就職に向け、どのように取り組まれるのか、ご所見を伺います。
次にワークライフバランスの推進についてです。
男女が共同で子育てができる環境をつくるためにも、これから増加するであろう介護離職を防止するためにも、これまでの働き方を見直し、仕事と生活の調和を推進していくことが必要です。実効性のある取り組みが必要と考えますが、どのように取り組まれるのかご所見を伺います。
次に労働相談体制についてです。
ブラック企業やブラックバイトの問題が社会問題化する中、昨年度の県内の労働相談件数は11,527件、うち本市を所轄する「福岡労働者支援事務所」への労働相談件数は5千件を超え、福岡県全体の半数を占めていることから、各区役所等の市民相談室に労働相談を加える等、労働相談体制の拡充を求めます。また、「働くあなたのガイドブック」を活用して、大学や高校などで出前講座・授業を行うなど、労働法教育を推進すべきと考えますが、ご所見を伺います。
11.最後に、農林水産業の振興について、お尋ねします。
農林水産業は、市民の食と健康を支える重要な産業ですが、就業者の減少や高齢化等、厳しい状況にあります。
昨年10月、政府はTPP交渉は大筋合意に至ったとする声明を発表しました。しかし、聖域とされていた農産物重要5項目は譲歩を重ねるなど、安易で拙速な合意と言わざるを得ません。国民の命と健康、生活の安全が脅かされることになります。とりわけ、農水産業に与える影響は大であることから、わが会派は反対ですが、ご所見を伺います。
新鮮で安全な農水産物を市民に安定的に供給するためには、生産基盤の整備・維持をはじめ農水産物のブランド化の推進や6次産業化の推進、販売力強化、併せて新規就業者の確保と育成が重要です。どのように取り組まれるのか、ご所見を伺います。
以上で、社民・市政クラブ福岡市議団を代表しての質問を、終わります。
市長並びに関係当局の誠意あるご答弁を、お願いいたします。
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